一般財団法人 日本自動車査定協会 東京都支所
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査定士の実務
5. ボディ外板
01 査定の考え方
02 車両全体の印象
03 運転席及び室内
04 エンジンルーム内
05 ボディ外板
06 ガラス・灯火及びタイヤ
07 査定車の試走
08 修復歴の考え方
09 前部の修復歴
10 側面の修復歴
11 後部の修復歴
12 不正及び災害車両
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一般のユーザーには、小さな傷でも非常に気になり、すぐに直して乗っている方もいらっしゃいます。したがって、マイカーに損傷(凹み、傷等)が生じたことが代替する理由になることもあるようです。

査定の中で最も神経を使うのが、塗装も含めた外装(パネル)のチェックであり、個人差が顕著に出るのもこの項目になります。


5-1 外板関係

外板の大きな凹みを見つけることは簡単ですが、小さな凹みや、広い範囲で凹みが浅い場合は、正面からだけでなく斜め方向から透かして見ます。

特に斜めから見る場合には、太陽を背にして見ることも、テクニックの一つです。また、見るだけでなく、手で触れてみて、凹凸を確認する点検方法もあります。


ボンネットの凹み


ルーフの凹み


5-2 塗装関係

塗装面の欠点は、車から少し離れて位置を変えながら、つまり視線を移しながら再塗装跡、退色と色むらをチェックします。次にずっと近ずいて、すり傷、スクラッチ、亀裂などについて、なめまわすような感じでチェックします。

自動車の塗装は、色彩、光沢など外観を装飾し、商品価値を引立たせる目的を持っています。査定に当たっては、こうした塗装の持つ目的を十分に認識しておくことが重要です。


左フロントフェンダーの塗装面の線傷
(フロントバンパーの線傷)


5-3 板金補修跡の有無

板金の波跡を点検するには、斜め方向から透かして見たり、手で触れてみる方法の他に、凝視し、そこにパテのぺ一パー目等を発見することで板金修理跡と判断することができます。

板金修理は、必ず再塗装が施されますから、塗装面と関連づけて点検することが重要となります。


左フロントドア、左スライドドア板金補修跡


5-4 パネル交換跡の有無

パネル交換跡は、まず外板の取付状態によって過去に脱着した痕跡があるか確認します。この判断には新車時の状態がどうなっているか日頃から研究しておく必要があります。

また、車は概ね左右対称に作られていることから左右の取付状態や、前後の取付状態の違いを見ることによって判断できる場合もあります。


ボンネットフードの交換跡


5-5 塗装跡の有無

塗装跡は、部分的なもの(部分塗装や区画塗装)と、全体的なもの(窓下塗装や全塗装)の2つに大別されます。

部分的な塗装跡は、隣接する部分との色合いの違いにより発見する事ができます。また、マスキング跡、隠れた部分への塗料の飛沫などから発見することもあります。

全体的な塗装跡は、マスキング跡、隠れた部分への塗料の飛沫のほかにエンジンルーム内や各パネルの裏の部分と外側が異色であれば塗り替えが確認できます。


再塗装によりザラつき(ゆず肌)が出る、パネルエッジ等を指で確かめています


Advice

最近では、車の機能面における不具合が減少してきているため、車の商品としての優劣、つまり商品格差が外装の良否によってつけられる傾向にあります。

凹みやキズ、修理跡の見落としなどは、査定価格に及ぼす度合いが大きいので、今後ますます査定の重点におかれることになります。


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